COLUMN コラム

節分の日に、伝統について考える

2.9 2026
MON

 2月3日は節分だった。そう、恵方巻を食べる日である。もぐもぐしながら、ふと気になった。「恵方巻はいつからこんなに当たり前になったのだ?」。調べてみて、驚いた。恵方巻が全国区の行事になったのは2000年代前半。いかにも「古くからの伝統です」といった顔つきをしていたけど、なんやキミ、Z世代やったんかい。

こういう恵方巻的なものは「創られた伝統」と呼ばれる。たとえば、スコットランドのタータン・チェックやイギリス王室の儀式。これらは近代19世紀に入ってから「復活・発明」されたものだ。つまり「伝統」というのは、必ずしも古くから連綿と続くものだけを指すのではなく、人々が必要としたときに創造され、ときに強力な社会的装置になるということなのである。だから、「伝統」という言葉には注意が必要だと私は思う。簡単に賛成も否定もしない。丹念に事実を掘り起こし、丁寧に向き合う必要がある。それが「伝統」だ。

と、ここまで書いて気が付いた。恵方巻を伝統的な行事として何の疑問も持たずに鵜呑みしていたのはどこの誰だ。丸呑みするのは太巻きだけにして、情報に対してはもっと鋭敏で繊細な感性を持っていなければと反省している(もぐもぐ)。

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