COLUMN コラム

目に青葉 

6.8 2026
MON

 新緑の季節がやってきた。「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」江戸時代の俳人・山口素堂が詠んだ有名な俳句だ。ところが素堂自身の説明では「目には青葉といひて、耳にはほととぎす、口には鰹とおのづから聞ゆるにや」だったようだ(レファレンス北九州市立中央図書館) 。

 山口素堂は謎解きが好きで、季語を三つも入れるという大胆な手を使ってでも、初夏の青葉の景を五感の刺激をする言葉で、身体全体に感じるように表現したようだ。その企みは三百年以上も人々の記憶に残っているのだろうから、お見事といわざるを得ない。 

 以前、街角でお母さんが幼い子に「青信号になったら渡ろうね」と話しかけていた。信号が変わった時に幼子は小さな声で「みどりだねえ」と言った。思わずドキッとした。うーん、「素堂先生、これは青葉ではなくて緑葉なのでは?」(笑) 
 どうも日本に緑という字が定着したのは、青に比べ遅かったのだろう(しかも木ヘンではなく糸ヘンというのも妙だ(笑)) 。

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