COLUMN コラム
養う
8.17
栃木県那須塩原市に寄ったおりに、板室温泉「大黒屋」の16代目当主、室井俊二さんとお会いした。旅館は創業475年を超える老舗旅館だそうだ。40年ほど前から「保養と現代アートの宿」を目指された。近くに作られた倉庫美術館には、現代美術作家、菅木志雄さんの作品が並ぶ。室井さんに「菅木志雄さんの作品には、必ず題名がついている」と教わった。しばしの時間を過ごしたが妙に落ち着く。リピーターが70%以上と非常に多いとの話にも得心した。
週休二日制を日本で初めて導入したのは松下幸之助だ。あの有名な「一日教養、一日休養」の指針を出したのは1965年の事だ。社員の生産性を高めるために示唆した経営者の言葉には唸るしかない。
「養」という字は、「羊」に餌を「食」べさせる事からできているが、「休養」「教養」もしかり「栄養」「静養」「滋養」「保養」「療養」と、最近「養」が足りていない事に気づく。「無理が通れば、道理が引っ込む」の言葉通り、そのツケは間違いなくやってくる。
歳を重ねるごとに「適宜に時間をとって養うこと」の大事さを痛感する。
